ハイブリッド学習の未来に向けた VILTの強化
企業が従業員に向けた教育基盤を強化し、従業員がオンラインで多くの学習コンテンツにアクセスできるようにしていく中で、バーチャル・インストラクター主導トレーニング(VILT)の重要性がこれまで以上に高くなってきています。
バーチャル・インストラクター主導トレーニング(VILT)を効果的に整備し従業員に提供し継続的に管理していくことは、これまでは非常に面倒な作業でしたが、Microsoft Teamsのコラボレーション機能の充実により容易になってきました。
学習者を惹きつけ、講師に力を与える
トレーニングや業務上のタスクをオンライン化することで、時間やお金などのリソースを節約できることを各企業は認識しているでしょう。オンライン上、仮想環境上で打ち合わせやプレゼンテーション、学習トレーニングを実施するメリットは年々増加傾向にあります。もちろんメリットとは、学習者の利便性の向上やチームによる学習アクセスの最適化、管理コストの削減などです。
バーチャル・インストラクター主導トレーニングとは?
バーチャル・インストラクター主導トレーニング(Virtual Instructor-Led Training)はよく「VILT」と略されます。
VILTを一言でいうと、これまでの対面でのトレーニングの中身や効果をオンライン上で再現しようというものです。対象となるトレーニングは、従業員が必ず知っておかなければいけない基礎知識から専門能力の開発、コンプライアンス教育など、企業にとって重要となるさまざまな学習です。
そのため、VILTに関する記事や話題では、3,000人以上いる全従業員に対するセキュリティ教育のように広範囲な場合もあれば、小規模なマーケティングチーム向けの特定能力のトレーニングのような場合もあります。いずれの場合でも、トレーニング自体はオンライン上の仮想チャネルを通じて従業員に配信され、従業員はいつでもどこでもトレーニングに参加できます。
Association for Talent Developmentによれば、VILTに基づく包括的なトレーニングを実施している企業では、そうでない企業に比べ収益率が218%と高いと言われています。
従業員をスキルアップさせて新しい能力を身に付けさせること、コンプライアンス規制に対して常に最新の状態を維持していくこと、新規ビジネスを創出するための仕組みをつくること、いずれの場合においても従業員への継続的なトレーニングはとても重要となっています。
バーチャル・インストラクター主導トレーニング (VILT)のメリット
Global Workplace Analyticsの調査によると、平均して従業員の約30%がオフィス外で働くようになってきています。つまりVILTのニーズがこれからも高まってくると予想され、トレーニングを提供する企業もそれを受ける従業員も、これからの行動変容が求められてくるでしょう。
実際、調査内容によれば学習環境をオンライン化、VILT化することにより業務の生産性が85%向上し、リモートで従事する従業員一人あたり年間10,000ドル、日本円にして約110万円の不動産コストが節約できているそうです。VILTの導入にはそれ以外にも以下のようなメリットが挙げられます。
- 業務の流れで学習:日常業務の中に学習を組み込むことで効率的に学びを得ることができます。
- 効果的な学習コンテンツ:マイクローラニング要素を取り入れることで短時間に集中して学習ができます。
- 学習体系のスケーラビリティ:10人規模でも1万人規模でも学習コースを簡単に準備して実施することができます。
- 多様性の担保:視覚や聴覚、またはそれ以外の学習ニーズを抱える多様な学習者をサポートします。
- グローバルへの対応:さまざまな国やタイムゾーンの従業員が等しく学習機会を享受できます。
では実際にVILTを企業に導入するためにはどうすれば良いでしょうか?
Microsoft Teamsを活用したVILT変革
最新のコラボレーションプラットフォームである Microsoft Teams は、継続的なアップデートによりチームメンバーがオンライン上で効率的に繋がり、またトレーニングも実施できるようになってきています。Teamsはオンラインでの参加者投票やオンラインミーティングの開催などVILTに必要な要素を多く兼ね備えています。また、学習者にとってもTeamsを活用すればオンライン上で簡単に共同作業ができ、バーチャルホワイトボードなどの仕組みによって、ブレーンストーミングのようなクリエイティブな業務もできるようになってきます。
それだけでなく、Microsoft社は最近のリリースでVILTを簡単に、かつ効率的に実施するためのプラットフォームとしてTeamsをより魅力的な製品に仕上げてきています。
明確さと自信を持って提示する
写真:マイクロソフト
Teamsの新しいプレゼンターモードを使えばオンラインプレゼンテーションが今まで以上に簡単になります。出席者全員のビデオを表示しながら、次のスライドに移動したり特定のスライドにジャンプしたり、メモしたプレゼンテーションノートを表示したりできるので、全体像を把握しつつプレゼンテーションを進められます。
この機能の利用も簡単で、Teamsにある「コンテンツの共有」ボタンから目的のPower Point資料を選択するだけです。
会議の議事メモをすぐに作成
写真:マイクロソフト
オンライン会議での映像と音声の録画、チャットでのやり取り、共有された資料、そのすべてが完全なログとして残り、会議の参加全員にシームレスに共有されます。これは学習時には講師が説明した内容、使用した資料などがそのまま受講者にも共有されることを意味します。
当然、これらの情報は受講者のみならず、その上司や同僚など任意の人にも共有することができますので、学習の進捗状況や内容などについて周囲に理解してもらうことも容易になります。
研修への出席状況のレポートとダウンロード
写真:マイクロソフト
Teamsでは会議の参加者リストを簡単に確認しダウンロードすることも可能なので、誰が研修に参加したのかを容易に確認することができます。オンライントレーニングの実施中に、参加者ウィンドウを開き、そこから「出席者リストをダウンロード」をクリックするだけで、誰がいつ会議に参加したのかを確認するリストを取得することができるのです。
ブレイクアウトルームの活用
写真:マイクロソフト
オンライン研修の講師は、受講者が全員参加している初期の状態から、小さなグループに分割したブレイクアウトルームにスムーズに移行させることができます。少人数に分かれたブレイクアウトルームでグループディスカッションを行ったりブレーンストーミングを行ったり、何かしらのワークを協同実施させることが可能になります。
ブレイクアウトルームの作成も簡単にできるようになっており、画面内にあるブレイクアウトルームアイコンをクリックするだけです。あとは作成するブレイクアウトルームの数や参加者の割り振り(自動or手動)を設定するだけです。
VILTで効果的な学習環境を整備しましょう
LMS365のシニアビジネスマネージャーのTravis Campbell氏は以前に、Microsoft Teamsのそれぞれの機能を活用してVILTを成功させるためのノウハウについてウェビナーを開催しました。ウェビナーの録画映像はこちらからご覧いただけます。
Microsoft Teamsと、Teamsに完全に統合された学習管理プラットフォームであるLMS365を使えば、コラボレーション学習環境が瞬時に構築され、講師はその環境の中で様々な学習コースや教材を展開することができ、受講者へのフォローアップやサポート、受講結果に対する評価までノンストップで行うことができるようになります。
LMS365はMicrosoft 365スイートに組み込まれている唯一の学習管理システム(LMS)であるため、Microsoft Teamsのみならず、SharePoint OnlineやOutlookにも完全に統合されています。従業員は従来どおり自社の環境にMicrosoft 365のアカウントでログインするだけで、LMS365も自動的に利用できるようになります。面倒な受講者登録や専用のログインなどは一切必要ありません。
LMS365はリリース当初こそはSharePoint Online上で使用することを前提とした学習プラットフォームでしたが、近年の繰り返しのアップデートによりMicrosoft Teamsに完全に統合されており、日常業務で使用するTeams内で学習も完結させることができます。
Microsoft TeamsとLMS365を組み合わせることで、VILTに必要な機能がすべて包括され、企業としてはVILT基盤を簡単に整備、従業員としてはインタラクティブなトレーニング環境を簡単に享受することができるようになるのです。
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